Easy Tax Desk / 平成22年度税制改正大綱
税理士事務所



静岡市葵区
西瀬名町
2番32号


TEL:054-263-0497


担当税理士
伊藤隆弘


東海税理士会
静岡支部所属
登録No.99449




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H23年税法改正とH24年税制改正大綱について

A. 平成23年税制改正の顛末について
 昨年12月16日、平成23年度税制改正大綱が閣議決定されました。 ・・・・しかし・・・・

平成23年税制改正法案は震災による復興財源問題で成立が遅れていましたが、法案2つに分けて国会で議論することとなりました。

このうち従来からの税法で期限が切れてしまうものの延長等を主な内容とする「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」(以下
「切り出し法案」と呼称)は平成23年6月22日に国会で可決成立し、6月30日に公布されました。

なお今回の税制改正で注目されていた法人税率の引下などを盛り込んだ「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」(以下
「未処理法案」と呼称)については、衆議院で法案の修正の後、11月30日参議院で可決成立し12月2日に公布されました。

 以下に当初示されたH23年税法改正のうち法人・個人の事業経営に関係の深い項目を選んでご紹介します。

 1.法人税の改正

(1)法人税率の引下げ。(「未処理法案により11/30成立)
  普通法人 30% → 25.5%  中小法人 年800万円以下 18%→15%
                     中小法人 年800万円超  30% → 25.5%

(2)減価償却制度の変更。(「未処理法案により11/30成立)
  平成23 年4月1日以後に取得をする減価償却資産の定率法の償却率は、
  定額法の償却率(1/耐用年数)を2.0 倍した数(現行2.5 倍した数)とされます。


(3)青色欠損金の繰越控除制度等の変更(「未処理法案により11/30成立)
  
@控除できる金額が、その繰越控除をする事業年度の所得の金額の100分の80
   相当額までとされます。ただし中小法人等については現行の制度が維持されます。

  A青色欠損金等の繰越期間を9年(現行7年)に延長されます。

  B これに係る帳簿の保管期間も9年になります。

  C
法人税の欠損金額に係る更正及び更正の請求の期間制限を9年(現行7年)に
   延長されます。

(4)貸倒引当金の損金算入(「未処理法案により11/30成立)
  適用法人を銀行、保険会社その他これらに類する法人及び中小法人等に限定されます。
  これら以外の法人については、平成25年度までの間に、段階的に損金算入が制限されて
  いきます。

(
5) 棚卸資産の評価(「未処理法案により11/30成立)
  切放し低価法を廃止されます。洗替低価法(常に取得原価と時価を比較し、低い方を簿価
  とする低価法)のみになります。


 2.消費税
の改正

(1)免税事業者の要件の見直し(「切り出し法案により6/22成立)
  
個人事業者又は法人の事業者免税点制度の適用を受ける者のうち、次に掲げる課税売上高が
  1千万円を超える事業者については、事業者免税点制度を適用しないこととされます。

  @個人事業者のその年の前年1月1日から6月30 日までの間の課税売上高
  A法人のその事業年度の前事業年度(7月以下のものを除く。)開始の日から6月間の課税売上高

  (注) 上記の適用に当たっては、事業者は、上記の課税売上高の金額に代えて所得税法に規定する
     給与等の支払額の金額を用いることができることとされます。

     上記の改正は、上記のその年又はその事業年度が平成24 年10 月1日以後に開始するものに
     ついて適用されます。

(2)課税売上割合が95%以上の場合に課税仕入れ等の税額(「切り出し法案により6/22成立)
  
課税売上割合が95%以上の場合に課税仕入れ等の税額の全額を仕入税額控除
  できる消費税の制度については、その課税期間の課税売上高が5億円(その課税
  期間が1年に満たない場合には年換算)以下の事業者に限り適用することとされ
  ます。

   (注)上記の改正は、平成24 年4月1日以後に開始する課税期間から<適用されます。



3.国税通則法の改正
  更正の請求を行うことができる期間が、延長されます。(1年→5年)

(参考)下記 相続税の改正
は行われませんでした。

(1)基礎控除の引き下げ(改正見送り)
  現行「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」の基礎控除を「3,000万円+600万円
   ×法定相続人数」へ引き下げられます。


(2)死亡保険金非課税枠の限定条件化(改正見送り)
  現行「500万円×法定相続人数」の死亡保険金に係る非課税枠が「500万円×次の
  いずれかに該当する法定相続人数」となます。
  @未成年者  A障害者  B相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者
 


B. 復興特別法人税の創設


  
税制改正ではないのですが、11月30日に「復興財源法案」が国会で可決成立
  しています。

 
 税額=基準法人税額×10%
  
期間 平成24年4月1日以後開始する事業年度から3年間


C. 平成24年度税制改正大綱について


 
平成23年税法改正が11月までズレ込んだ影響か、平成24年度税制改正大綱の内容は
 比較的小規模でインパクトの小さなものでした。

 
その中で企業経営等に影響の大きい項目を紹介します。

 1.法人税等の改正
  
期限切れとなる現行の下記制度の適用期限が2年間延長されます。
   (1)交際費等の損金不算入制度
   (2)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例
   (3)使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例
   (4)繰越欠損金の繰り戻し還付の不適用(中小企業を除く)


 2.
所得税の改正
(1)給与所得控除の上限設定
 給与所得控除に上限が設定され、給与収入1,500万円超は一律245万円となります。

(2)退職所得の計算
 
勤続年数5年以下の役員が受取る「退職金」への課税について、退職所得の計算上
 退職所得控除を差し引いた後、1/2とする措置を廃止する。

その他にも会社によっては大きく影響する改正事項があります。

   税法や税制改正大綱の各項目を検討し、関係のありそうな会社の経理ご担当者は、
事前に内容を押さえておきましょう。



ご注意:このページは、読み易さを優先させるため、厳格な法解釈とは一部異なる表現
を用いています。実務への適用・応用にあたっては、必ず法令等をご確認ください 。